書誌情報
著者・訳者:アニータ・ヤスダ 文 清水裕子 絵 おおつか のりこ訳
版型・ページ数:A4変型・41ページ
発行年:2025年10月23日
内容
世界最高峰エベレストの頂点に立った女性初の登山家、はじめての伝記絵本!
10歳のときに登った茶臼岳で山登りの楽しさを知った田部井淳子(たべい じゅんこ)(1939‐2016、福島県出身)は、
結婚して出産した頃に女性だけの登山隊を結成し、
世界最高峰のエベレスト登頂にねらいを定めました。
スポンサーを断られる中、懸命に資金を集め、山の道具を手作りし、
4年にわたる準備をして挑んだのです。
岩と氷におおわれた8848.86メートルの山をものともせず、
一歩ずつ、一歩ずつ。
1975年、35歳でついにエベレストの頂上に立つと、
世界中の山に挑戦し、7大陸最高峰を女性で初制覇。
山の環境問題、若者や被災者を支える活動にも精力的に取り組みました。
エベレスト登頂50年となる2025年秋に、
田部井淳子をモデルとした映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』が
吉永小百合 主演で公開されます。
あきらめずに一歩一歩、前に進めば、夢はかなう。
心から山を愛し、守り、山の魅力を伝えつづけたまっすぐな生き方は、
今も多くの人に勇気を与えています。
女性として、母として、一人の人間として――その半生をたどる初めての伝記絵本です。
●『Up, Up, Ever Up! Junko Tabei: A Life in the Mountains』(邦題『世界ではじめてエベレストの頂点に立った女性 登山家 田部井淳子の物語』)が、コールデコット オナー賞とボストングローブ・ホーンブック オナー賞に選ばれました。
文
アニータ・ヤスダ
カナダ・オンタリオ州のなだらかな丘にある庭の仕事場で子どもの本を書いている。日本にはモンテッソーリ教育の教師として長期滞在していた。仕事で物書きをするほかに、毎日愛犬といっしょにちょっとした山歩きをしており、いつも前向き。本書は文を手がけた初めての絵本。ウェブサイトはanitayasuda.com
絵
清水 裕子(しみず ゆうこ)
アメリカ・ニューヨークを拠点とするイラストレーター。東京に生まれ、早稲田大学卒業後、総合商社で広報を担当し、30代で渡米してイラストを学ぶ。田部井淳子さんと同じく、小学校の遠足で山歩きの楽しさを知った。手がけた絵本は3冊。『アレッポのキャットマン』に続き、本作で2度目のコールデコット・オナー賞を受賞した。2009年にはニューズウィーク日本版の「世界が尊敬する日本人100人」のひとりに選ばれている。ウェブサイトはyukoart.com
訳
おおつか のりこ
翻訳家、作家。福島県の小さな町で生まれ育つ。親に連れられて山歩きをはじめ、高校の山岳部では安達太良山によく登っていた。訳書に『レイチェル・カーソン物語 なぜ鳥は、なかなくなったの?』(西村書店)、『じぶんのきもち みんなのきもち』(あかね書房)など。2022年、著作『感染症と人類の歴史』全3巻(文研出版)で学校図書館出版賞を受賞。日本国際児童図書評議会(JBBY)会員、やまねこ翻訳クラブ会員。